老健医局 在宅・訪問医局

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老健医局

老健施設とは

介護老人保健施設(老健)概要と、介護老人福祉施設(特養)との違いについて

まずは、老健施設の定義からご説明をします。とくに介護老人保健施設(老健)と介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)の違いフォーカスを当ててみましょう。

全国老人保健施設協会によると、介護老人保健施設(老健)は、「介護を必要とする高齢者の自立を支援し、家庭への復帰を目指すために、医師による医学的管理の下、看護・介護といったケアはもとより、作業療法士や理学療法士等によるリハビリテーション、また、栄養管理・食事・入浴などの日常サービスまで併せて提供する施設」と定義されています。

病院と家庭など日常生活の場との中間に位置する施設になります。入院の必要はないものの、居宅での自立生活が困難になってしまった高齢者が一時的に入所する施設です。

入所資格は、「介護保険法の被保険者で要介護1以上の認定を受け、病状が安定していて入院の必要がないが、リハビリを必要とする原則65歳以上の方」とされています。

入所期間の規定はありませんが、介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)とは違い、終身利用はできません。ちなみに、介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)は、病気や障がいなどにより、重度の介護を必要とし、自宅での生活が困難な者が、少ない費用負担で長期入院をするための施設です。原則65歳以上の高齢者で、要介護3以上を受けている者などが当てはまります。基本的には、社会福祉法人や地方自治体などの公的な組織が運営をしており、特養とも呼ばれています。

一方、介護老人保健施設(老健)は、一時的に入所をする施設という性質上、入所後3か月ごとに、家庭環境やリハビリ効果などを鑑みて、入所の必要性を判断する入所継続判定会議が行われます。会議で継続が決まれば、その都度3ヵ月更新されます。

施設の人員基準は、入所定員100人当たり医師1名(常勤)、看護職員9名、介護職員25名、理学療法士、作業療法士または言語聴覚士1名、介護支援専門員1名、その他支援相談員等となっています。医師の常勤とリハビリ専門職の配置が義務付けられており、医療ケアにより入所者が在宅復帰を目指すための施設といえます。なお、老健では入所以外にショートステイや通所・訪問リハビリのサービスも提供しています。

老健の種類

介護老人保健施設にはサービス内容や報酬体系の違いにより、いくつかのタイプがあります。

まず前者については、2008年に新型老健と呼ばれる「介護療養型老人保健施設」が創設されました。これは要介護度の重度な方や経管栄養や喀痰吸引などの医療行為が必要な方を受け入れる、医療や看護の提供により重点を置いた老健のことです。いわば病院と従来型老健の中間に位置する施設であり、国の推進する療養病床再編成による設備基準緩和や助成金等を活用して建てられた転換型(病院の療養病床用建物を老健に変更)のケースも見られます。

また、報酬体系の面では2012年以降、3タイプに分類されることとなりました。同年の介護報酬改定で創設された在宅強化型(在宅復帰率50%超、ベッド回転率10%超、要介護4または5の利用者が35%超などの要件を満たした施設)、在宅復帰・在宅療養支援機能加算型(在宅復帰率30%超、ベッド回転率5%超など)、そして従来型の3類型です。

在宅強化型の創設はいわば「在宅復帰機能を強化する施設を優遇する」という国の政策を示したもので、老健は在宅支援加算型も含め在宅復帰に力を入れる施設ほど報酬面で有利になる方向に舵を切り、現在に至っています。

老健の施設の規模について

介護老人保健施設の規模(収容人員数)は、厚生労働省の調査(平成27年介護サービス施設・事業所調査の概況)では100~109人が最も多く(1,592施設、38%)、続いて80~89人(606施設、14.5%)となっています。ちなみに110人以上の比率は11.5%(487施設)であり、半数近くの施設が100名以上の収容能力を備えていることになります。老健の部屋には多床室(2~4名)と従来型個室、ユニット型個室(10名程度の個室と共有の生活設備を組み合わせたタイプ)があり、従来型個室であってもキッチンや浴室などの生活設備は専用では用意されません。新設の場合はユニット型を採り入れる施設が多く、徐々にユニット型ケアに移行してきてはいますが、全体としてはまだ従来型の多床室が大半を占めています。前出の厚労省調査によると、ユニット型および一部ユニット型の施設数は10.7%(ユニット型8%、一部ユニット型2.6%)となっており、建物新築時に個室化が進む病院の病棟と比べて入所者のプライバシー確保が遅れていることがわかります。なお、老健設備の特徴としては、機能訓練室の設置とリハビリ機器の充実、医務室や診察室の配置などが挙げられます。