医師の具体的な業務内容
介護老人保健施設の常勤医師は入所者の健康管理を担い、診断や治療・処方、入所者の状態を把握した上で看護師やリハビリ専門職への指示などを行います。その他、ショートステイや通所リハビリなどで施設を訪れる方の健康管理や、場合によっては看取りを担うなど、職務内容は多岐に渡ります。また、入所者の心のケアや日常生活の状態把握にも常に気を配る必要もあります。医師が医療職ピラミッドの頂点に位置する病院とは異なり、老健で提供するサービスのコーディネーター的な役割が求められるのです。
それゆえ、内科以外の診療科の先生でも勤務されているケースが多くみられ、コミュニケーション能力を重視した採用がなされているケースが多いです。
人生経験の豊富なベテラン医師が老健の常勤医師となり、活躍をしているケースが多くみられます。
入所・通所者は基本的に症状が安定していることから、病院のように1日に数多くの診断や処置を次から次へとこなすことはまずありません。そのため勤務時間は基本9時~17時前後で残業もほとんどなく、土日祝が休日の施設が多いようです。さらに常勤医師の当直が義務付けられていないため、体力的な負担も病院勤務より少なくなり、勤務環境は比較的ゆったりしているといえるでしょう。そうした事情から、還暦を過ぎたシニアの医師はもとより、子育て中の既婚の女性医師などからの注目度も高い職種となっています。